金融機関におけるハズレの担当者を見極める4つのポイントと対処法
2024.11.19 経営情報資金調達金融機関や担当者によって、融資をしてもらえる確率は大幅に変わってきます。
融資に対して積極でない金融機関にいくら交渉しても結果にはつながりませんし、「ハズレ」の担当者に当たれば時間を無駄にするだけになります。
そんな「ハズレ」の担当者を見極めるポイントと対処法についてお伝えします。
1.<ハズレの担当者を見極めるポイント
①ノルマをこなすことに一生懸命
②月末近くにしか訪問してこない
③信用保証協会の保証つき融資しかできない
④レスポンスが遅い
②月末近くにしか訪問してこない
③信用保証協会の保証つき融資しかできない
④レスポンスが遅い
①ノルマをこなすことに一生懸命
多くの金融機関は、渉外担当者に対して、過酷なノルマを課しています。預金や融資に限らず、保険や投資信託、カードローン、住宅ローン等、絶えずノルマに追われています。
そのノルマをこなせなければ、評価が悪くなり、出世の道を閉ざされてしまうからです。
このタイプは、「自分のノルマ」だけが重要で、「顧客のメリット」を考えていません。
協力してあげても、「お返し」がないので、協力するだけ損になります。
②月末近くにしか訪問してこない
これも、先の「ノルマをこなすことに一生懸命な担当者」に共通するかもしれません。普段は、ほとんど顔を出さないのに、月末近くになると、「月末までに、100万円だけ投資信託お願いできませんか。数字が足らないのです」とお願いしてくる担当者。
「ノルマに追われて気の毒だな」と同情して、協力してあげると、その後、月末毎に「助けてください」と頼んで来ます。
「月末は忙しいから」と断っても、懲りずに月末訪問を繰り返します。
先述した、◯◯銀行の担当者はこのタイプで、結局、月末に頻繁に訪問されることに辟易した社長から「出入り禁止」を命じられていました。
③信用保証協会の保証つき融資しかできない
金融機関によっては、「保証協会の保証つき融資」を積極的に推進しています。こういう金融機関は、「自分たちの都合しか考えていない金融機関」と言えるので、このままつきあっていてもメリットがありません。
本当に、顧客のことを考えている担当者は、「プロパー融資」の利用を勧めてくれます。
④レスポンスが遅い
プロパー融資の場合、融資依頼してから遅くとも1ヶ月程度で、融資の可否が決まります。優秀な担当者であれば、
融資依頼 ⇒ ヒアリング ⇒ 稟議作成 ⇒ 追加資料徴求・再ヒアリング ⇒ 融資決定
というスキームを2週間程度で終わらせます。
「融資依頼」した後、「ヒアリング」を行うのが1週間後、という担当者もいます。
このように、レスポンスの遅い担当者に限って、作成する稟議書の内容が悪いため、融資が通らない可能性が高くなります。
ひどい担当者になると、顧客から融資依頼があったにもかかわらず、上司に報告もせず、稟議書も作成せずに、融資を断るということもあります。
2.「つきあうだけ無駄」な担当者に当たったら
これらの担当者に当たった場合、その金融機関からの支援は、期待できないものと思ってください。しかし、「担当者を交代させて」と頼んでも、当該担当者が、大きな失敗をして、顧客を激怒させたということでもない限り、交代させてくれません。
「この担当者とつきあっても無駄だ」と思った時の対処法は2つあります。
ハズレの担当者に当たったときの対処法2つ
ひとつは、「今の金融機関を見限って、別の金融機関との取引のウエイトを高める」
別の金融機関の担当者が優秀な担当者であれば、そちらに取引のウェイトを高めることで、金融機関との取引は、円滑に進むようになります。
もうひとつは、
「担当者の上司(渉外担当役席や貸付担当役席)とのパイプを強固にすること」
担当者がダメでも、重要なことについては、その上司と直接話をすることができれば、不便はなくなります。
逆に、意思決定スピードが早くなるため、今までより、良いサービスを提供してもらえるようになるかもしれません。
「はずれ」の担当者とつきあっていても、良いことはひとつもありません。
「この担当者、はずれだな」と感じたら、速やかに対処されることをお勧めします。
3.さいごに
優秀な担当者に当たった場合は、2~3年は、融資については安泰です。逆に、そうでない担当者に当たった場合は、2~3年は融資に苦しむことになります。
担当者の善し悪しについては、中小企業側でコントロールできません。
だから、優秀でない担当者に当たった場合、対処策が必要となります。
融資に課題感を感じておられる経営者の方は、できるだけ有利な条件で融資条件を引き出すためにも、専門家の力をかりて融資交渉をすすめてみてはいかがでしょうか?
ぜひ一度、白川浩平税理士事務所にご相談ください。