社長個人名義のクレカを、法人口座から引き落としできるのか?
2022.09.20 経営情報経営に関する素朴な疑問にお答えするシリーズです。
今回は、「社長個人名義のクレジットカードの引落を、法人の銀行口座より引落できるのか?」です。
本来は、法人であれば法人カードを作成し、法人の経費支払い専用とする。ということになります。
ただし小規模法人の場合、社長個人名義のクレジットカードを利用して、法人の経費を支払っているケースもまま見受けられます。
この場合、実務上どのような取り扱いになり、問題があるのかどうかについても検証してみたいと思います。
法人カードとは?
法人カードとは、企業や個人事業主向けに発行されるクレジットカードのことです。会社の事業に関する経費を支払うためのクレジットカードで、名義人となっている社員しか使用できません。「会社名義の法人口座」を支払い口座に指定でき、会社の社員が利用した分も一般的に法人口座からの引き落としとなります。
法人カードの名義
クレジットカードには、クレジットカードの持ち主の名義が登録され記載されています。それは、クレジットカード本体はカード会社に所有権があり、カードはカード会社が会員本人に貸与している形をとっているからです。つまりカード会員にカード所有権はないので、夫婦、家族、恋人であっても、カードの名義人以外の人は譲渡したり、利用したりすることはできません。名義人以外が利用することは、本人が承認していてもカード会社との契約違反になります。場合によっては詐欺罪に問われることもあるので注意が必要です。
◆法人カードの名義は会社名?個人名?
法人カードの名義は、会社名ではなく申し込みを行った代表者の個人名になります。つまり、法人・企業の場合は会社の代表者、個人事業主の場合は事業主本人ということになります。
◆法人カードに会社名が記載されているケースもある
法人カードの中には、名義人の個人名だけでなく、会社名が併記されるものもあります。この場合もカードの名義は、記載されている個人であることに変わりはなく、同じ会社に所属している人でも、名義人以外は利用できません。
決済口座はどうなるのか?
【決済口座の違い】
・個人向けカード:個人名義の銀行口座を使用(決済口座を法人口座にするのは不可能)
・法人カード:法人口座を決済口座にするのが一般的(個人口座を決済口座にすることもできるが、あまりないケースかと思われる)
法人の経費支払いに社長の個人カードを使用しても問題ないか?
税務的には、法人の経費の決済を個人名義クレカでしても問題ありません。
ただし、法人の経費とならない個人的な買い物が法人の経費とならないように注意する必要があります。個人と法人のお金がごっちゃにならないように、出来るだけ法人カードを作成してきちんと管理する方がよいでしょう。
まとめ
・法人口座から引き落としができる個人向けカードはない!
・法人カードの名義は、基本的に代表者個人名。法人名と併記される場合もあり。
・法人口座を決済口座にしたい場合は、必ず法人カードを作成する必要がある。
・個人カードで法人の経費を支払のはOKだが、できるだけ法人カードを作って個人と法人のお金をきちんと分けた方が良い。