相続税版ニュースレター冬号
2024.12.09 ニュースレター税務情報経営情報相続税版ニュースレター冬号をお届けします!
【主な内容】
◆相続時精算課税の利用が増加
◆相続時精算課税と贈与税の申告
◆老々介護、さきざきへの備え
◆学資保険、万一の場合は?
◆お手軽筋トレのススメ
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相続時精算課税の利用が増加
相続対策のひとつとして利用される相続時精算課税。直近10年間の申告状況を見ると、2023年は申告納税額がない方が4万4千人で、2014年、2015年に次ぐ人数となりました。
また、申告納税額がある方は5千人で、直近10 年間で最も多くなっています。
2024 年1月1日以後の贈与から、相続時精算課税でも基礎控除として毎年110万円を控除できるようになりました。
相続時精算課税と贈与税の申告
Q.贈与税の課税方法を教えてください
A.個人から財産をもらったときは、贈与税の課税対象になります。
贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2つがあります。贈与を受けた人は、贈与者ごとに課税方法を選択することができます。
Q.相続時精算課税とは、どのような課税方法ですか?
A.相続時精算課税は、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、すでに納めたその贈与税相当額を控除することにより、贈与税・相続税を通じた納税を行う制度です。
Q.改正があったと聞きました。どのように改正されましたか?
A.令和5年度( 2023年度)税制改正により、相続時精算課税でも基礎控除として毎年110 万円を控除できるように改正が行われました。
この改正は2024 年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。
相続時精算課税を選択した贈与者(特定贈与者)ごとに
【 課税価格 - 基礎控除額(110万円) - (特別控除額 2,500 万円 ) × 20% 】
Q.課税価格が基礎控除額以下でした。贈与税の申告は必要ですか?
A.上記の算式にあてはめたときに、課税価格が基礎控除額以下であった場合には、贈与税の申告は必要ありません。これは、暦年課税でも相続時精算課税でも変わりません。
Q.相続時精算課税を選択するとき、何か手続きはありますか?
A.その贈与者からの贈与について相続時精算課税を初めて選択するときには、その選択をして贈与をした年の翌年2月1日から3月15 日までの間に、相続時精算課税選択届出書(以下、届出書)を所轄税務署へ提出しなければなりません。
Q4 のように基礎控除額以下のため贈与税の申告が必要でない場合であっても、この届出書の提出は必要です。提出忘れにご注意ください。
老々介護、さきざきへの備え
☆Point☆
◎死後事務委任契約
自身が亡くなった後の事務手続きを第三者に依頼(委任)する契約。具体的には、家の片付け(遺品整理)の他、ご自身の葬儀や火葬、納骨・埋葬、ライフライン契約の解約等が依頼できる。
◎遺品整理
自宅もしくは施設に入居していれば入居施設内の、家財道具や生活用品の整理・処分のこと。整理・処分の方法としては、廃棄や売却、形見分けなど。デジタル遺品の整理も依頼可能。
◎デジタル遺品
スマートフォンや PC、タブレット等の機器です。
個人情報が残されている場合があるので、処分の際には必要に応じてデータを破壊処理することができる事業者に依頼し、その上で機器を廃棄する。
◎遺品整理での注意点
死後事務委任契約の受任者に対して遺品整理を任せられる範囲は、換価価値がないもの、つまり、売れない、もしくは売れてもわずかなお金しか得られないものに限られる。
◎トラブル防止のために
長年所有していても価値が下がらず、売ってお金に換えられるもの(例:高級腕時計や宝石、貴金属等)を死後事務として売却や形見分けをしてしまうと、相続財産を処分したことになりトラブルになる可能性があります。自身が亡くなった後、それをどうしたいのか、売却して売却金をみんなで分けてほしいのか、誰か一人に形見分けしたいのかを考え、その思いを遺言に書いておくと良い。
死後事務委任契約と遺言はセットで作成しておくと安心。
学資保険、万一の場合は?
☆Point☆
◎契約者に万一があった場合
契約者に万一があった場合、亡くなった時点における学資保険の解約返戻金相当額が、相続財産として相続税の対象となります。
◎被保険者(ご長男様)に万一があった場合
被保険者であるご長男様に万一があった場合は、契約者であるH様に死亡給付金が支払われ、保険契約は終了します。死亡給付金の請求手続きが必要となりますので、保険会社にご連絡ください。
◎学資保険で万一に備えを
学資保険は、親に万一のことがあっても、それ以上の負担なく子どもに学資資金として渡る保険であり、利率が下がった今でも活用できる保険のひとつです。万一に備えるための保険として検討しましょう。
お手軽筋トレのススメ
身体にも心にもいいことだらけ!
年齢とともに減少しやすい筋肉をしっかりと保つことで、いつまでも元気に動ける毎日を手にいれませんか。ちょっとした空き時間を利用したお手軽トレーニングなら、楽に続けられます。頻度は週2~3 回を目安に、3 分~15 分の短時間でも効果が望めます。一つひとつの動きをゆっくりと行うことで、成長ホルモンが長く分泌され、筋肉増加を助けます。
自分のペースで少しずつレベルアップしながら、筋トレを習慣化してみませんか。いつもの毎日に想像以上のメリットをもたらすはずです。
☆Point☆
軽度な筋トレであっても、続けることで身体にさまざまな効果を与えます。
◎体力アップ
◎体脂肪燃焼
◎介護予防
朝晩の温度差が激しくなり、風邪や感染症などが流行する時期になってきました。
室内の換気や加湿、外出から帰った際や食事の前には手洗いうがいをするなど対策をしっかり行っていきましょう!