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お知らせ

福祉施設版ニュースレター2025年6月号

2025.05.23 ニュースレター

福祉施設版ニュースレター2025年6月号をお届けします!

【主な内容】
◆2040 年に向けた介護サービス提供体制
◆福祉・介護事業における夏季賞与の支給状況
◆福祉施設でみられる人事労務Q&A 『介護休業の対象となる家族と要介護状態の判断』
◆今月の接遇ワンポイント情報『時間の色分け①』

>>ニュースペーパーはこちらからダウンロードできます
※ダウンロードにはパスワードが必要です。

2040 年に向けた介護サービス提供体制

厚生労働省より「2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方に関する中間とりまとめ」が公表されました。どこに力点を置いて制度を整備していくのか、3 つの方向性を示しています。次期改定にも影響する重要なとりまとめです。

方向性① 地域需要に応じた体制構築

地域を以下の 3 つに区分し、それぞれの特性に応じた体制構築が検討されています。

☑中山間・人口減少地域
人口減少でサービス需要が減少する中、利用者に適切に介護サービスが提供されるよう、需要に応じた計画的な基盤維持・確保が求められます。配置基準を弾力化し、訪問・通所などのサービス間連携等で人材等が行き来できるようにする等、柔軟な対応も検討されています。

☑大都市部
高齢者人口の増加から、需要の急増が見込まれる地域です。重度の要介護者や独居高齢者等に、ICT 技術等を用いた 24 時間対応・包括的在宅サービスを提供できる体制が求められます。

☑一般市等
2040 年までに需要が増加から減少に転じることが見込まれる地域です。既存の介護資源等の有効活用によりサービスを過不足なく確保しつつ、将来の需要減少に備えることも課題となります。

方向性② 介護人材確保等

介護人材確保を最大の課題と位置づけ、雇用管理等による人材定着や、職場環境改善、生産性向上の取組と経営改善支援について検討されています。主な項目は次のとおりです。

☑地域人材確保プラットフォーム機能の充実等
☑テクノロジー導入・タスクシフト/シェア
☑都道府県単位での経営支援体制の構築
☑協働化・連携(間接業務効率化等)の推進

方向性③ 医介連携

地域包括ケアシステムを強化すべく、医介連携、介護予防、認知症ケアが引き続き重要視されています。具体的には、退院後の在宅復帰支援、地域リハビリテーション体制の整備、認知症高齢者の包括的支援などが挙がっています。
このとりまとめは介護保険部会に報告され、制度改正に向け議論が行われます。また夏には、障害福祉等、他の福祉分野との共通課題等についても、とりまとめが予定されています。

福祉・介護事業における夏季賞与の支給状況

今年も夏季賞与の支給時期を迎えます。ここでは福祉・介護事業における、夏季賞与支給労働者1 人平均支給額(以下、1 人平均支給額)等の推移を事業所規模別にみていきます。

直近 5 年間の最高額になる業種も

厚生労働省の調査結果※から、福祉・介護事業の夏季賞与支給状況をまとめると、下表のとおりです。

2024 年の 1 人平均支給額は、老人福祉・介護事業と障害者福祉事業の 5~29 人以外で、前年から増加しました。なお、児童福祉事業の 30~99 人と障害者福祉事業の 30~99 人は 30 万円を超え、児童福祉事業の 5~29 人とあわせて直近 5 年間の最高額となっています。
きまって支給する給与に対する支給割合は、児童福祉事業の両規模と障害者福祉事業の 30~99 人が 1 ヶ月を超えました。
支給労働者数割合はすべて 70%を超え、支給事業所数割合は、障害者福祉事業の 5~29 人以外で 70%を超えています。障害者福祉事業の 30~99人は 2年連続で 100%となりました。

2025 年は前年同様、様々な産業で賃上げが行われていますが、今年の夏季賞与支給にどのような影響を与えるでしょうか。

時間の色分け

時間の色分けとは、時間の種類を分けることです。
時間管理術の視点として次の 5 つの時間があります。

1. 今の成果を生む時間
職場全体がスムーズに活動できるよう、日々行うべき仕事の時間です。

2. 過去の成果を処理する時間
今の成果を生んだ後(終わった仕事)の後処理です。クレーム対応など後始末も含まれます。

3. 将来の成果となる時間
日々の職場運営に直接必要ではありませんが、将来的な効果を見越してかけた時間です。クレーム対応を減らすための指導教育など、事前事後の対策がここに含まれます。

4. 自分を成長させる時間
将来的に職場の仕事に役に立つための、自己成長の機会や啓発の時間です。

5. 何の役にもたたない時間
文字どおり、仕事中に存在する“何の役にも立たない時間”です。

消費した時間は同じでも、誰の視点(誰の仕事時間)かによって、当てはまる時間が異なる場合もあることに、注意しましょう。
生産性の高い仕事をするには、上記の『時間の色分け』をもとに、自分の消費している『今、この時間』は、何に該当する時間なのかという認識を持つことからスタートします。
職場での自分の仕事時間(休憩時間を除く)を振り返り、質の高い時間の使い方を目指しましょう。