医師及び医療従事者の働き方改革の推進に係る特別償却制度について【医療機器】
2023.12.06 税務情報【対象設備】
医療機関が、都道府県に設置された医療勤務環境改善支援センターの助言の下に作成した特に医師の労働時間短縮に向けた医師勤務時間短縮計画に基づき取得した器具・備品(医療用機器を含む)、ソフトウェアのうち一定の規模(30万円以上)のもの(未使用に限る)
【特別償却割合】
取得価格の15%
【対象となる勤務時間短縮用設備等】
類型1~5のいずれかに該当するものであり、1台又は1基(通常一組又は一式をもって取引の単位とされるものにあっては、一組又は一式。)の取得価額が30万円以上のもの
類型1 労働時間管理の省力化・充実に資する勤務時間短縮用設備等
○勤怠管理を行うための設備等(ICカード、タイムカード、勤怠管理ソフトウエア等、客観的に医師の在院時間等の管理が行えるもの)
医師の労働時間の実態把握は労働基準法上の使用者の責務であり、医師の労働時間の実態を正確に把握することで、時間外労働時間を短縮すべき医師を特定し、重点的に対策を講じることができること、導入することにより、各医師の労働時間の短縮に対する意識改革にもつながること、使用者の労働時間管理コストが削減されることなどの効果が期待される。
○勤務シフト作成を行うための設備等(勤務シフト作成支援ソフト等、医療従事者の効率的な配置管理が行えるもの)
医療機関の外来や病棟での医師等医療従事者を、例えば経験年数などを勘案し適正に配置することで、効率的な業務運営に資することが期待される。また、勤怠管理を行うためのシステムとの連携により、特定の医師が⾧時間労働になる可能性があれば事前に把握し、当該医師が⾧時間にならないように調整する契機となることが期待される。
類型2 医師の行う作業の省力化に資する勤務時間短縮用設備等
○書類作成時間の削減のための設備等(AIによる音声認識ソフトウエア、それら周辺機器など、医師が記載(入力)する内容のテキスト文書入力が行えるもの)
医師の診断書などの書類作成に要する時間を短縮することが期待される。また、医師事務作業補助者が代行入力等を行っている場合でも、その下書きに相当するものを自動で作成することなどができれば、医師事務作業補助者の業務の効率化が図られ、結果、医師事務作業補助者が医師を補助する範囲が広がり、医師の労働時間の短縮に繋がることが期待される。
○救急医療に対応する設備等(画像診断装置(CT)など、救命救急センター等救急医療現場において短時間で正確な診断を行うためのもの)
救急医療現場では、脳血管・心臓血管疾患のほか、交通事故などの外傷に対しては、短時間で正確に診断を行う必要があり、医師の労働時間として短縮の効果が期待される。
○バイタルデータの把握のための設備等(ベッドサイドモニター、患者モニターなど、呼吸回数や血圧値、心電図等の病態の変化を数日間のトレンドで把握するためのもの)
従来は、呼吸回数等バイタルデータを紙に別途記入して管理していたり、入力等していたもので、過去のデータは別途管理し参照していたものについて、過去のデータも含めて一括で管理することにより、当該設備等の表示又は必要に応じて紙で一連のデータを打ち出すことだけで過去のデータとの比較などもできるため、入力と出力の手間が省略され、労働時間の短縮に資する。
類型3 医師の診療行為を補助又は代行する勤務時間短縮用設備等
○医師の診療を補助する設備等(手術支援ロボット手術ユニット、コンピュータ診断支援装置、画像診断装置等※1、在宅診療用小型診断装置など、医師の診療行為の一部を補助又は代行するもの)
手術支援ロボットにより術野が拡大し、処置の難易度が下がることで医師の労働時間の短縮が期待できる。
類型4 遠隔医療を可能とする勤務時間短縮用設備等
○医師が遠隔で診断するために必要な設備等(遠隔診療システム、遠隔画像診断迅速病理検査システム、医療画像情報システム、見守り支援システムなど、医師が遠隔で診断することに資するもの)
医師の移動に要する時間の短縮や、医療機関間での連携が進むことによる人的医療資源の適正活用につながり、医師の労働時間の短縮に資する。
また、読影医が院内外を問わずどこからでもアクセスでき、CD等読影画像の受け渡しの煩雑さがなくなることや、在宅患者が自宅で測定したバイタルデータの送受信や患者の見守りができることで、医療従事者の負担軽減になり、医師の労働時間の短縮も期待される。
類型5 チーム医療の推進等に資する勤務時間短縮用設備等
手術中の医師の補助や手術後の病棟管理業務等一連の病棟業務については、医師以外の医療職種も含めたチームで連携する、又は、医師以外の職種に移管することにより、医師が実施する業務を削減することが可能になる。このため、チーム医療の推進に資するものや、医師以外の医療従事者の労働時間短縮に資するものについても対象となる。
○医師以外の医療従事者の業務量の削減に資する設備等(院内搬送用ロボット、患者の離床センサーなど、医師以外の医療従事者の業務を補助するもの)
業務そのものをロボット等に移管することで、医療従事者の業務量の削減が図られる。
○予診のための設備等(通信機能付きバイタルサイン測定機器やタブレット等を活用したシステムなどにより予診を行うもの)
体温や血圧等のバイタルデータを手入力することなく電子カルテ等に反映できることにより入力時間が短縮される。また、患者自身に入力してもらうシステムの場合には更に医療従事者の労働時間を削減することが期待される。
○医師の検査や処方の指示を電子的に管理するための設備等(電子カルテ※2、カルテ自動入力ソフトウエア、レセプトコンピューター、医療画像情報システム※3、画像診断部門情報システム※4、医療情報統合管理システム※5等診断情報と医師の指示を管理できるもの)
患者に係る情報を電子的に入力の上、集約し、記録の管理や共有に要する時間を減らすことで医師の労働時間を短縮することが期待できる。併せて、情報共有が円滑に行われることから、タスク・シフティング、タスク・シェアリングの推進にもつながる。
具体的には、入力内容のチェック機能が付いているレセプトコンピューターであれば医師が指示内容を入力する際、診療報酬上の請求ミスを自動で見つけることでチェック時間や再請求事務に費やす時間を削減できる。往診先で電子カルテに記載された患者の診療内容を確認したり、往診先で診療・治療内容の入力機能のあるタブレット等を活用したシステムであれば、往診から戻ってから記憶を頼りに入力するよりも効率的かつ正確に業務が実施できることが期待される。
○医療機器等の管理効率化のための機器・ソフト等(医療機器トレーサビリティ推進のためのUDIプログラム※6、画像診断装置等のリモートメンテナンス※7、電子カルテ、レセプトコンピュータのリモートメンテナンス※8など)
医療機器等のトレーサビリティ向上のために付与されたバーコードを利活用することで患者の医療安全の確保とともに、誤使用を避けるための確認時間の短縮により、医療従事者の労働時間の短縮を図り、生産性向上が期待される。
◎詳細は、下記添付をご確認ください↓
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001103560.pdf