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お知らせ

国税庁が「非上場株式の評価方法」の抜本的な見直しを検討中

2026.08.28 税務情報

【経営者の皆様へ重要なお知らせ】
自社株の相続税・贈与税評価が大きく変わる可能性があります
~国税庁が「非上場株式の評価方法」の抜本的な見直しを検討中~

会社経営者の皆様に、今後の事業承継・相続対策に関係する重要なお知らせです。
現在、国税庁では、中小企業・同族会社の株式、いわゆる「自社株」の相続税・贈与税上の評価方法について、抜本的な見直しを検討しています。
まだ新しい制度が正式に決まったわけではありません。
しかし、今回の見直しは単なる計算式の微調整ではなく、長年使われてきた自社株評価の仕組みそのものが大きく変わる可能性があります。

特に、
「将来、子供へ会社を引き継ぎたい」
「自社株を子供へ贈与しようと考えている」
という経営者の方には、ぜひ知っておいていただきたい内容です。

そもそも、なぜ「自社株」に相続税がかかるのか?

例えば、社長が自社株を100%所有している会社を考えてみましょう。
社長が亡くなり、その株式を子供が相続すると、
「その株式には、いくらの価値があるのか?」
を計算し、その評価額を相続財産に加えて相続税を計算します。

上場会社なら株価があります。
しかし、中小企業の株式には通常、市場で売買される株価がありません。
そこで国税庁が定めるルールに従って、
「税金を計算するための自社株の価格」
を計算することになります。

現在はどのように計算している?

現在は、会社の規模などによって、
【大会社】
【中会社】
【小会社】
などに分類して、自社株の評価方法を決めています。
主な計算方法は次の2つです。

① 類似業種比準方式

同じような業種の上場会社の株価を参考にして、
・配当
・利益
・純資産
などを比較して自社株の価格を計算します。

② 純資産価額方式

会社が持っている
土地・建物・預金・有価証券などの資産
から、
借入金などの負債
を差し引き、会社の財産価値をもとに株価を計算します。

【現在のイメージ】

会社の規模

■大会社:類似業種比準方式中心
■中会社:2つの方式を併用
■小会社:純資産価額方式中心

なぜ今、見直しが行われているのか?

在の評価制度には、
「会社の規模や評価方法によって、
自社株の評価額に大きな差が生じることがある」
という問題があります。

また、現在の評価ルールを利用して、
意図的に自社株評価額を引き下げる
対策が行われるケースも問題視されています。

そこで国税庁では、
「会社の実際の価値を、より適切に株価へ反映できる評価方法にできないか」
という観点から、抜本的な見直しを検討しています。

今後、何が変わる可能性がある?

現時点では、次のような見直しが検討されています。

①「大会社・中会社・小会社」という区分の見直し

現在は、会社の規模によって評価方法が異なります。
これを、
「できるだけ幅広い会社に共通して使える評価方法」
へ変更することが検討されています。

②「類似業種比準方式」が大幅に変わる可能性

現在、多くの中小企業の自社株評価で利用されている「類似業種比準方式」についても、大幅な見直しが検討されています。
そのため、
「今までと同じ計算方法が今後も続く」
とは限りません。

③「会社の稼ぐ力」を重視した株価へ?

今回特に注目したいのが、
会社の「収益力」を株価に反映させる
という考え方です。例えば、

【A社】
純資産 5,000万円
年間利益 300万円

【B社】
純資産 5,000万円
年間利益 2,000万円

という2社があったとします。
同じ5,000万円の純資産でも、
毎年2,000万円の利益を生み出しているB社の方が、企業としての価値は高い
と考えるのが自然です。

そこで今後は、

会社の純資産
  +
将来利益を生み出す力
   ↓
「自社株価」

という考え方を取り入れることが検討されています。

利益の大きな会社は要注意?

この方向で制度が見直された場合、
「毎年安定して高い利益を出している優良企業」
については、自社株評価額が現在より高くなる可能性があります。

例えば、
・毎期多額の利益が出ている
・利益率が高い
・多額の内部留保がある
・今後も安定した収益が見込まれる
といった会社です。

「会社の業績が良くなる」
    ↓
「会社の価値が上がる」
    ↓
「自社株評価も上がる」

という関係が、現在より強くなる可能性があります。

反対に、株価が下がる会社も?

今回の見直しが、
すべての中小企業にとって増税になると決まったわけではありません。

例えば、
「昔購入した土地をたくさん持っているが、本業の利益はそれほど大きくない会社」
などについては、現在の純資産価額方式では非常に高い株価になることがあります。
今後、会社の継続を前提として収益力をより重視する評価方法となれば、このような会社については現在より評価額が低くなる可能性もあります。

つまり、会社によって影響が全く違なる

【株価が上がる可能性】

✓ 毎期大きな利益を出している
✓ 利益率が高い
✓ 収益力が高い
✓ 現在、類似業種比準方式によって比較的低い株価になっている
✓ 会社規模などを利用した株価対策を行っている

【株価が下がる可能性】

✓ 土地などに多額の含み益がある
✓ 純資産は大きいが利益は少ない
✓ 収益力が低い
✓ 会社の資産価値と実際の収益力が大きく乖離している

これまでの「自社株対策」も変わる可能性があります

これまで事業承継対策として行われてきた、
・役員退職金の支給
・役員報酬の変更
・オペレーティング・リース
・持株会社の活用
・グループ会社への資産移転
・株主構成や議決権割合の変更
などについても、今後の評価方法によっては、自社株を引き下げる効果が現在より小さくなる可能性があります。

特に、一時的な損失を発生させて利益を下げる方法については、
「その会社が通常どの程度利益を出せる会社なのか」
という「正常な収益力」を基準に評価する仕組みが導入されれば、従来と同じ効果が得られなくなる可能性があります。

では、今のうちに自社株を贈与した方がいい?

ここは慎重な判断が必要です。
「制度が変わりそうだから、すぐに子供へ株を贈与しましょう」
という話ではありません。

今回の見直しによって株価が、
「上がる会社」
もあれば、
「下がる会社」
もある可能性があるためです。

そのため重要なのは、
まず現在の自社株評価額を把握することです。

★経営者の方に今していただきたい「3つの確認」

STEP 1
現在の自社株はいくら?
まず現在の評価方法で自社株価を計算します。
   ↓
STEP 2
今回の見直しで影響を受けそう?
会社の
・利益
・純資産
・不動産
・グループ会社
・株主構成
などを確認します。
   ↓
STEP 3
今のうちに事業承継対策をした方がいい?
必要に応じて、
・自社株の生前贈与
・事業承継税制
・役員退職金
・持株会社
・種類株式
・相続時精算課税制度
なども含めて、会社ごとに検討します。

【特に確認をおすすめする会社】

次の項目に一つでも当てはまる経営者の方は、一度自社株評価を確認しておくことをおすすめします。
□ 社長が自社株の大部分を持っている
□ 将来、子供へ会社を引き継ぐ予定がある
□ 子供への自社株贈与を考えている
□ 毎年安定して利益が出ている
□ 内部留保がかなり増えている
□ 会社が土地・不動産を多く所有している
□ 自社株評価額が数千万円~数億円ある
□ 100%子会社など複数の会社を経営している
□ 持株会社(ホールディングス会社)がある
□ 役員退職金などを利用した事業承継対策を考えている

最後に

今回の自社株評価制度の見直しは、中小企業の事業承継に大きな影響を与える可能性があります。
ただし、令和8年8月現在、
新しい評価方法や適用開始時期が正式に決定したわけではありません。
したがって、現段階で過度に心配する必要はありません。

一方で、事業承継は短期間でできるものではありません。
特に自社株の評価額が高い会社では、実際に相続が発生してから対策を考えるのではなく、
「現在の自社株価を知る」
ことから始めておくことが重要です。

自社の株価評価を知りたいということであれば、
ぜひ当事務所担当者までお問い合わせください。

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これからも当事務所では、
今後の国税庁の検討状況を確認し、具体的な改正内容・適用時期等が明らかになりましたら、改めてお知らせいたします。
自社株評価や事業承継について気になることがございましたら、担当者までお気軽にご相談ください。

※ご注意
本資料は令和8年(2026年)8月28日時点で国税庁から公表されている「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の資料等をもとに、一般の経営者の方向けに分かりやすく整理したものです。
現時点では検討段階であり、財産評価基本通達の具体的な改正内容、計算方法、適用開始時期等が決定したものではありません。
実際の相続・贈与・事業承継対策については、個別の会社の状況に応じて判断する必要があります。

白川浩平税理士事務所_自社株評価ルール見直しニュースレター_20260828

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