忘年会で景品を配るときの税務上の注意点
2024.12.19 税務情報本年もあと残りわずかとなり、忘年会シーズンたけなわですね!
忘年会などでは社員への慰労を兼ねて景品などを配ることがあると思いますが、内容によっては社員への給与とみなされる恐れがあります。
社員に喜んでもらうためのイベントですが、税務面では適切な取り扱いが必要です。
忘年会で社員に配る景品について、税法上注意すべきポイントを以下にまとめます。
1. 景品の費用の扱い
◎交際費 vs 福利厚生費
景品の費用は 「福利厚生費」 に該当する場合、損金算入が認められます。
一方で、忘年会が特定の社員や取引先を対象としている場合には 「交際費」 に該当する可能性があります。
★福利厚生費として認められる条件
①全社員を対象にしている
②社員間の公平性が保たれている
③社員の労働意欲向上を目的としている
2. 社員側の課税(給与所得との関連性)
◎景品が「給与」に該当する場合、社員に課税される可能性があります。
原則、景品が通常の業務とは無関係で福利厚生目的で支給された場合は非課税です。
ただし、景品の価値が高額すぎる場合(目安:1人あたり5千円以下、多くても1万円以下)、給与課税されるリスクが高まります。
3. 景品の種類ごとの扱い ・現金や商品券
◎現金や商品券は給与とみなされることが多く、課税対象になります。代わりに、具体的な物品(例:家電、小物など)を配る方が良いでしょう。
高額商品(例:旅行券、ブランド品):高額景品の場合、受け取った社員に対して課税されるリスクがあります。そのため、相場を考慮し、適正な価格帯の品物に留めることが推奨されます。
4. 消費税の取り扱い
◎景品の購入費用に対して支払った消費税は、原則として控除可能です。ただし、交際費とみなされた場合、控除対象外となる場合があります。
5. 税務調査に備える
◎忘年会の案内や参加者リスト、景品リストを保管しておくことで、税務調査時に「福利厚生費」としての合理性を説明しやすくなります。
★実務上の注意点
①金額設定 景品の金額は1人あたり5千円以下(多くても1万円程度以下)を目安にし、高額になりすぎないようにします。
②公平性の確保 社員全員に対して配布し、一部の社員のみが特別扱いされないようにします。
③記録の保管 忘年会の趣旨や参加状況を明確にし、経理処理の根拠として記録を残しましょう。 これらを踏まえ、社員が喜ぶ景品を選びつつ、税務上のリスクを回避する形で忘年会を計画すると良いでしょう!
以上の点を注意して、楽しい忘年会にしてくださいね!