経営者が押さえておくべき税制情報 (2026年5月のまとめ)
2026.06.05 税務情報今回のメルマガでは、
最新の税務情報や税制改正項目のうち、
企業経営者に重要なトピックについてご紹介します。
税制情報トピック1
「非上場株式の評価」の議論の方向性は?
4月30日、国税庁は
「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」
の第1回の「議事要旨」を公表しました。
前回のメールマガジンでは、
いわゆる非上場株式の評価方法が
「租税回避スキーム」に使われていることが
問題になっているとご紹介しました。
今回は議事要旨が公表され、
次のような意見が出ていることがわかりました。
・類似業種比準方式における
企業規模等の外形基準は、
様々な企業実態に合わせて評価を行う方が
公平となるとの想定のもとに
設けられたものと考えるが、それがかえって、
評価額圧縮スキームに悪用されて、
現状のこの不公平な実態に至っている。
・スキームが使われる根本的な原因は、
現在の評価方法による純資産価額が
高すぎるためではないか。
・このまま租税回避スキームを
野放しにすることは良くないと思うが、
スキームへ対応をすることによって、
今まで真面目に企業経営を
営んでこられた人たちが困るのも問題であり、
その視点は持っておくべき。
5月11日の第2回目では、
大学教授、M&A会社役員から非上場株式の
評価についてヒアリングを行っています。
どのような形で非上場株式の評価が
見直されるのかは今のところわかりませんが、
例えば、
・スキームで利用される類似業種比準価額:引上げ
・高すぎる純資産価額:引下げ
とセットで行うことも考えられます。
6月以降も、引き続き、注視したいところです。
▼詳しくはこちらから
【PDF】国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」
第1回 議事要旨
https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260420/pdf/01giji_kabukaigi.pdf
第2回 資料
https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260511/pdf/02shiryo_kabukaigi.pdf
税制情報トピック2
国税庁が「法人税関連の改正項目」を解説
5月27日、国税庁は
法人税関連の主な改正項目の説明資料として、
「令和8年度法人税関係法令の改正の概要」を
公表しました。
【目次】
1 特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
2 研究開発税制の見直し
3 賃上げ促進税制の見直し
4 主な中小企業税制の見直し
5 グローバル・ミニマム課税への対応
6 その他主な改正項目
1番目のいわゆる「大胆な設備投資減税」では、
中小企業も「5億円以上」の設備投資は対象です。
また、4番目の「中小企業税制の見直し」では、
「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」
について、30万円未満から「40万円未満」に
なったことが図入りで説明されています。
切り替えのタイミングとして、
事業年度にかかわらず、「取得等の日」が
・令和8年3月31日まで:30万円未満
・令和8年4月1日以後:40万円未満
で異なるため、ご注意ください。
▼詳しくはこちらから
国税庁「令和8年度法人税関係法令の改正の概要」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2026/01.htm
税制情報トピック3
給付付き税額控除は「給付に一本化」へ
5月27日、社会保障国民会議の
「給付付き税額控除等に関する実務者会議」は
「給付付き税額控除のイメージ」を公表しました。
これまで給付付き税額控除の制度設計について
ヒアリングや議論を重ねてきましたが、
6月の「中間とりまとめ」に向けて、
制度のイメージが明らかになりました。
特に最近あった「定額減税・給付金」の
事務負担が企業・自治体ともに
大きかったことを踏まえ、
制度導入時は「給付に一本化」されました。
資料の中でも、
「減税と給付を組み合わせることや、
見込みと確定の二段階で
給付を行う仕組みとはしない」
と明記されています。
また、「子育て世帯」には
給付額を上乗せする方針も示されています。
▼詳しくはこちらから
内閣官房 社会保障国民会議「給付付き税額控除等に関する実務者会議(第12回)」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260527/index.html
最後に
給付付き税額控除の議論は、
「税額控除」という名前にとらわれず、
事務負担に配慮した形で
「給付金」に一本化されることとなりました。
そのため、企業側としては、
定額減税時の年末調整のような混乱は
避けられると思われます。
一方、あわせて議論されている
「消費税減税」についても
制度設計が決まりそうです。
現時点では飲食料品の消費税率を
ゼロではなく「1%」とする案が
有力視されています。
次回のメールマガジンでも
最新情報をお伝えします。

