経営者が押さえておくべき税制情報 (2026年8月のまとめ)
2026.09.04 税務情報今回のメルマガでは、
最新の税務情報や税制改正項目のうち、
企業経営者に重要なトピックについてご紹介します。
税制情報トピック1:非上場株式の評価に大胆な見直し案!
8月20日、国税庁は
「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」
の第5回の資料を公表しました。
今回、新しい評価方式のたたき台が
明らかになりました。
◎新しい評価方式(案)
★「残余利益方式(簿価純資産ベース)」
→貸借対照表の「純資産の部」の金額、
つまり「簿価純資産価額」をベースに、
過去数年分の超過収益力(当期純利益等)を加減算
保有する不動産などを「時価」に置き換える
必要がないので簡便に計算でき、
赤字または低収益の企業は簿価純資産額から
減額される見込みです。
◎現行の3つの評価方式(案)
(1) 「類似業種比準価額方式」
→類似した上場会社の平均株価を使う方法は
「廃止」の方向
(2) 「純資産価額方式」
→時価純資産価額をベースにした方法は
原則的評価方式ではなく、
「一部の会社」の評価方法として残す方向
(3) 「配当還元方式」
→少数株主を対象にした簡易な方法は
「適用する株主の範囲」を整理するなど
対象を狭める方向
また、問題となっていた「租税回避スキーム」
への対応も資料では個別に示されています。
例えば「グループ法人税制」を利用した評価額の
圧縮スキームでは、会社単独ではなく
「グループ全体」で評価する案が示されています。
▼詳しくはこちらから
【PDF】国税庁
「取引相場のない株式の評価に関する
有識者会議(第5回)資料」
https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260820/pdf/05shiryo_kabukaigi.pdf
税制情報トピック2:「給付付き税額控除」が閣議決定
8月5日、政府は
「給付付き税額控除」について
制度導入の基本方針を閣議決定しました。
このうち課題となっている「財源」は、
「補助金・租税特別措置の見直し」などを
例に挙げています。
令和9年度税制改正でも
増税の見直しが想定されるため、
こちらも動向に注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
【PDF】内閣官房
「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260805/01_siryou1.pdf
【PDF】参考資料1
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260805/02_siryou2.pdf
【PDF】参考資料2
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260805/03_siryou3.pdf
(参考)自民党
「初の『消費税減税』へ総務会が全会一致で
了承飲食料品の消費税『実質ゼロ』Q&A」
https://www.jimin.jp/news/information/213966.html
税制情報トピック3:中小企業の親族内承継に関する検討会が「報告書(案)」を公表
8月5日、中小企業庁は
「第6回中小企業の親族内承継に関する検討会
配布資料」を公表しました。
今回は過去の議論を踏まえ、
「報告書(案)」が提示されました。
事業承継税制の今後の見直しでは、
議決権株式の分散防止による
安定的な事業継続の確保という制度趣旨を
維持しつつ、人口減少、人手不足、
生産性向上や地域経済の維持といった
環境変化を踏まえる必要がある、
などの視点が盛り込まれています。
「令和9年度税制改正要望」に
どのように反映されるか注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
中小企業庁
「第6回中小企業の
親族内承継に関する検討会 配布資料」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/shinzoku/006.html
最後に
トピックス1で示したように、
非上場株式の評価が大きく変わりそうです。
現時点のスケジュールでは、
「令和10年以後の適用」が予想されています。
新しい方式により、株式の評価額が高くなったり、
過去の株価対策が無効化される可能性もあります。
令和9年度税制改正で予定されている
「新しい事業承継税制」の動向とあわせて
改めて事業承継対策の検討が必要になりそうです。
次回のメールマガジンでは、
各省庁の「令和9年度税制改正要望」を中心に
最新情報をお伝えします。

