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お知らせ

消費税『インボイス制度』開始で商売ができなくなる?!

2021.03.17 税務情報

令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されます。

・適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。適格請求書を交付できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られます。適格請求書発行事業者になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

・インボイス制度とは、
<売手側>売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
<買手側>買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

 
・・・と何やらよく分からん!自分には何か影響あるの?

自分は消費税は免税事業者やし、関係ないわ~というあなた!
実は関係大ありかもしれません!もう少し我慢して読み進めてください。

このインボイス制度導入後は、自分が発行する請求書に、国税局から付与された「登録番号」を記載する必要があります。この登録番号を付与してもらうためには、消費税の課税事業者となる必要があります。※適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます(新消法57 の2①)。

あなたの会社が免税事業者である場合、あなたの会社が発行する請求書には登録番号が記載されておらず、「適格請求書」にはなりません。あなたの会社へ支払いをした得意先にしてみると、その支払いに関して消費税を全く支払っていないことになります。

消費税課税事業者にならないと、取引を打ち切られるリスクがある?

ここで想定されるのは、得意先から「課税事業者にならないと、取引を続けることができない」と言われる可能性が高くなるということです。
得意先Cが、課税事業者Aと免税事業者Bに対して、同じ税込み1億1千万円の外注費と支払うときを考えてみましょう。

課税事業者Aへの支払では1千万の消費税を支払ったことになるのに対し、免税事業者Bへの支払には1円も消費税を払っていないことになります。
すると、得意先Cの消費税納税額は、1千万違いが出てきます。当然、得意先Cは、免税事業者Bに対し、課税事業者になることを求めるか、取引を打ち切るかになるわけです。

顧客が、業者でない個人のお客様ばかりの場合(美容室などが考えられるでしょうか)はあまり影響がないかもしれませんが、お客様が業者の場合はもろに影響をうけることになります。
取引を継続してもらうために、基準期間の課税売上高が1千万未満の事業者の多くが、自ら課税事業者となって消費税を納めざるを得ないという状況になるのです。

消費税節税のための法人成りは急げ?!

現在個人事業だが、売上が1千万円を超えて、もうすぐ消費税を払っていかないといけない方は、法人化することで消費税を2年間払わなくてもよくなるという話をお聞きになったことがあるかと思います。

インボイス制度は、令和5年10月1日から始まりますが、それ以降は商売を継続するために課税事業者にならざるを得ないことになる場合も多いかと思います。もし「法人成り+消費税2年間免除」をご検討されているのであれば、早めに行動に移した方がいいかもしれませんね。

参考)遅くとも、令和3年10月1日法人設立とすれば、令和3年10月1日~令和5年9月30日の間は丸2年間免税事業者となれる可能性があります。
※法人化したからといって、必ずしも2年間消費税を納めなくてもよくなるということではありません!くれぐれもご注意を!!

インボイス制度の詳細については、以下リンクをご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm