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お知らせ

経営者が押さえておくべき税制情報【令和6年度税制改正情報】

2024.01.12 税務情報経営情報

■令和6年度税制改正大綱が公表

昨年12月14日に「令和6年度税制改正大綱」が自民党ホームページで公表されました。
主な改正項目は次のとおりです。

<所得税>

◆定額減税
・対象者:本人と扶養している配偶者・親族
・所得制限:合計所得金額1,805万円超
(給与年収2,000万円超)は対象外
・減税額:1人当たり4万円(所得税3万円、住民税1万円)
・減税方法:給与所得者、年金受給者、事業所得者ごとに異なる

◆子育て支援に関する政策税制
・対象者:19歳未満の子のいる世帯または夫婦いずれかが40歳未満の世帯
(1)住宅ローン減税:認定住宅等の借入限度額を4,000~5,000万円に拡充
(2)住宅リフォーム減税:子育てリフォームを追加(最大25万円減税)

※次の子育て支援に関する政策税制は
 令和7年度改正へ結論を先送り
・児童手当の支給に伴う高校生の扶養控除の縮小
・ひとり親控除の拡充 
・生命保険料控除の拡充

<資産税>

◆土地に係る固定資産税の負担調整措置を3年延長

◆住宅取得資金贈与の贈与税非課税制度を3年延長

◆事業承継税制の承継計画の提出期限を2年延長
(令和8年3月31日まで)

<法人税・法人事業税>

◆賃上げ促進税制を3年延長
・大企業:3%~7%の段階的な賃上げに応じたメリハリのある仕組みに
・中堅企業(従業者数2,000人以下):新設し、現行の大企業並みの減税に
・中小企業:5年間の繰越控除措置を新設し、赤字でも翌年以降に減税可能
・女性活躍・子育て支援に積極的な企業へ5%の上乗せ措置を創設
・教育訓練費の上乗せ措置の要件を緩和
・大企業と中堅企業は最大35%、中小企業は最大45%の税額控除が可能

◆中小企業事業再編投資損失準備金制度の3年延長
・複数回のM&Aについて最大100%損金算入可能にする拡充枠も新設

◆戦略分野国内生産促進税制の創設
・電気自動車や半導体等の投資に10年間、生産・販売量に応じた減税
・税額控除:法人税額×40%(半導体は20%)
・繰越控除:4年間(半導体は3年間)

◆イノベーションボックス税制の創設
・特許権、AIを活用したプログラムの著作権の譲渡所得、
ライセンス所得について30%を損金算入できる所得控除制度を創設

◆暗号資産の時価評価
・法人(第三者)が継続的に保有する暗号資産を「時価評価の対象外」に

◆オープンイノベーション促進税制を2年延長

◆交際費課税を3年延長
・1人5,000円基準を「1万円」に拡充

◆外形標準課税の対象拡大
・資本金1億円超基準は維持し次の2つの基準を追加

(1) 減資への対応(令和7年度から)
・「前年度」に外形標準課税「対象」法人で、かつ、
「当年度」の資本金と資本剰余金の合計額が
10億円超の法人は、外形標準課税の「対象」

※「改正前に対象外の法人」や「改正後に新設される法人」は、
 資本金1億円超基準に該当しない限り「対象外」
※駆け込みで減資を行い回避する場合の措置を設ける

(2)100%子法人等への対応(令和8年度から)
親:資本金と資本剰余金の合計額が50億円超
子:資本金と資本剰余金の合計額が2億円超の場合、
  子(100%子法人等)は外形標準課税の「対象」

※一定のM&Aによるものは5年間、対象外にする特例あり
※対象となる場合も激変緩和措置あり 

◆地方拠点強化税制を2年延長

◆大法人の欠損金の繰戻し還付制度の不適用措置を2年延長

◆中小企業倒産防止共済
・解約して再契約した場合、掛金を支出しても
解約日から2年以内は損金算入できないよう制限
(令和6年10月1日以後の解約から適用)

◆中小企業の30万円未満の少額減価償却資産特例を2年延長

<消費税>

◆国境を越えたサービスの提供への消費税課税
・プラットフォーム課税を導入
(対象取引高50億円超の事業者)

◆高額特定資産の免税事業者・簡易課税の制限措置
・その課税期間に取得した金地金等の合計額が200万円以上の場合を追加
 
◆外国人旅行者向け消費税免税制度
・免税物品と知りながら行った課税仕入れを仕入税額控除不可に

◆仕入税額控除(帳簿のみ保存の特例)
・自販機等は帳簿への「住所」の記載を不要に

<納税環境整備>

◆法定調書のe-Tax等による提出義務基準を30枚以上に

◆GビズIDとの連携によるe-Taxの利便性の向上

◆処分通知等の電子交付の拡充

◆重加算税の対象に隠ぺい・仮装による更正の請求書を追加

<防衛増税>

大綱では開始時期の明言を避け、
「適当な時期に必要な法制上の措置を講ずる趣旨を
令和6年度の税制改正に関する法律の附則において
明らかにする」と記載されました。


▼詳しくはこちらから
自由民主党「令和6年度税制改正大綱」
https://www.jimin.jp/news/policy/207233.html

経済産業省「令和6年度税制改正について」
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2024/zeisei_k/index.html

20240111 令和6年度税制改正の解説【1月改訂版】 白川浩平税理士事務所

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